シニャック再び

 日曜日の昼下がり、雨も上がったので、絵を見に行って来ました。大阪市立近代美術館心斎橋展示室の「海と水のものがたり」という展覧会。タイトルの通り、海や水をテーマにした作品が60点ほど集められています。今日が最終日だったのですが、梅雨の合間のつかの間の雨上がりということもあるのか、ぼちぼちいい感じの人の入りでした。

 ここで、私再びシニャックに出会いました。シニャックの作品は、先月行った大山崎山荘美術館の「プリズム・ラグ」展で初めて意識して見ましたが、こんなに短い期間に再び見ることになるなんて、ちょぴり不思議な感じです。

 シニャックは、新印象派の代表的な画家と言われていて光学的な技法を取り入れた「筆触分割法」で絵を描きました。確かに近寄ってよく見るまでもなく、シニャックの描く絵は「色の粒つぶ」の集合でできていることがよくわかります。
 でも、若くして亡くなった同じく新印象派を代表する点描画家、スーラと死に別れてからは、理論からは離れて色そのものを表現する色彩主義に転向していったのだそうです。性格も、内向的な性格で無口だったスーラに比べて、陽気で話好きな性格だったのだとか。海を愛し、自らもヨットを操縦して、いろんな海を渡り、絵を描いたのだそうです。最初にシニャックの絵を見た時に、光学理論を用いた絵という説明がなんとなーく???な感じがあったのは、そのせいだったのかも。妙に納得しました。スーラが、光の粒々であくまでも「形」を表現しようとしたのに対して、シニャックは、形を構成している色(光)そのものを表現することに興味を移していった、そんな感じ。
 私も、何か「モノ」を見る時に、どちらかというと、輪郭よりも色彩でそのモノをとらえているような気がします。その話を友人にすると、彼女は「輪郭」から入ると言っていたので、人それぞれなのでしょうが、もしかして、印象派の作品が日本人に好まれるのは、色彩のうつろいでモノをとらえる感性により共感できるから、なのかもしれませんね。

 絵そのものもさることながら、同じ作家に対するインフォメーションでも、美術館によって、けっこう違うもんだな、とそれもちょっと興味深かったです。もちろん、テーマに沿った、そして、その作品に沿った情報を作品解説として書かれるのでしょうが、学芸員さんの目のつけどころも、それぞれにちょっとずつ違っていて面白いですね。少なくとも、今日の私は、「プリズム・ラグ」→「海と水のものがたり」の順番でシニャックについての理解がちょっとだけ深まったような気がしてありがたかったです。

 大阪市の近代美術館も、いよいよ建設に向けて話が具体化していきそうですね。美術の教科書に載っていた福田平八郎の「漣(さざなみ)」も、大阪市の所蔵だと今日知って、何気にすごいコレクションだな、と改めて思いましたが、こんな作品がいつでも、気軽に見れるように、早くなるといいですよね。
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by sound-resonance | 2011-06-19 18:29 | 音・色あれこれ | Comments(0)