青が、荒ぶる。蔵王権現

 私がピンチの時に蔵王権現のお札をくださった方がいて、ピンチを見事脱出したので、いつかお礼のお参りに行きたいと思っていた吉野。いつもは秘仏の蔵王権現がご開帳になっているというので、会いに行ってきました。

a0155838_1939026.jpg


 蔵王権現は、修験道の開祖、役行者が世の中を救いたいと1000日山に籠もって祈った結果、岩を割って出現したという純日本産の神様。
 「権現」というのは、「権(仮)の姿」という意味で、釈迦如来、千手観音菩薩、弥勒菩薩が過去、現在、未来の三世にわたって私達を救済するために、お出ましになったお姿なのだそうです。
 吉野は金峯山寺のご本尊である蔵王権現は、真ん中の釈迦如来の権現様が7メートル、両脇の千手観音菩薩、弥勒菩薩の権現様が6メートル弱と超ビッグ。私は夜間拝観に参加させていただいたのですが、ほとんど同じ姿の権現様が3体、ど、どーんとかまえる様はなかなかに度肝を抜かれる光景でした。

a0155838_19382864.jpg

 
 役行者が世の中を救いたいと神仏に祈りをささげている間、その願いを叶えてやろうとお出ましになった釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩は、優しい表情だったそうです。そこをあえて、「そんなお姿では民衆がついてこないから、違ったお姿で出てきてください」とお願いして、そのリクエストに応える形で怖〜い姿で出てこられた権現様。
 役行者、注文多すぎ(笑)
 でも、ただ恐ろしいだけではなくて、背後の燃えさかる火炎は、大智恵を表し、御身の青黒色は、大慈悲を表しているのだとか。ただ怒りに燃えているというのではなく、その根底には「恕(じょ)」のこころ、一切をゆるし育み、人々を導こうという慈悲の心があるのだそうです。

 確かに見ればみるほど吸い寄せられるように見入ってしまう、不思議なお姿。怖いのに、見たい。というのか、段々怖いというよりフレンドリーな感じ、受け入れられ感までしてきてしまう、不思議な感じは、身体の青に由来しているのでしょうね。異世界感を醸し出しながらも受け入れ感もばっちり、みたいな。この青はラピスラズリの青だと言われているのだとか。ものすごい量のラピスラズリが必要だったでしょうね、なんとも贅沢。当時ラピスラズリは同量の金よりも高価だったというから、金ぴかの像より贅沢かもしれません。同じ姿の3体を全部青に塗っちゃう、いろんな意味で、すごい決断力です・・・(笑)この3体が赤い色に塗られていたら、あの吸い寄せられ感は出なかったかも。
 ちなみに真ん中の大きな権現様は釈迦如来で「過去」を表しているのだそうです。私は「現在」(千手観音)が一番大きいのかな?と思っていたのですが、ちょっと意外な感じでした。偉大なお釈迦様が真ん中というのはわからないではないのだけど、やっぱり「今、ここ」が大事なんじゃないか、なんて思ったりもしますが、それって、現代風の感覚なのかもしれないですね。過去が癒されて、救われて、やっと「今」に行き着く、そんな感覚が昔はあったのかも、しれません。

 夜間拝観の法要はけっこう本格的なもので、ほら貝の先導で入堂、法要中も太鼓の音とほら貝の音が多用されていました。さすが、修験道!?本格的にほら貝の音(音楽?)を聞いたのは初めてでしたが、あんなにトーンのバリエーションが出せるんですね、ちょっとびっくりしました。あれだったら、いろんなメッセージが伝えられそう。ほら貝って山伏さんのコミュニケーションツールの他に、邪気を払うために吹かれるそうですが、太鼓のグランディング力と、ほら貝の邪気払い力が絶妙なバランスでしたよ。

a0155838_19402777.jpg


 吉野は桜があまりにも有名ですが、新緑もとっても綺麗です。興味のある方は訪ねてみてくださいね。

金峯山寺 http://www.kinpusen.or.jp/(特別ご開帳は6月7日まで)

a0155838_19423381.jpg

 
[PR]

by sound-resonance | 2012-05-22 22:22 | 音・色あれこれ | Comments(0)