色即是空 

何が出展か、その全貌を知らないまま、超絶に有名なワンフレーズのみを知っているということは、ままあることだったりしますが、私にとって「色即是空」というフレーズもかつて、その中のひとつでした。
「色即是空」・・世の中の一切の、現実にあるように見えているもの(色)、それはすべて「空」である、以上。・・・・え、え、え~っ!!そんな取りつく島もなさそうな、情け容赦ないフレーズは、私を言いようのない虚無感の中に陥れました。何をやっても無駄、一瞬色のある鮮やかな世界に出会えたと思っても、それは一瞬にして「空」になってしまう、そ、そうなのか!?いやいや、それでも、この美しい世界を見る努力をすることは、決して無駄ではないはず、なんて踏ん張ってはみるのですが、若かりし頃、ちょっと落ち込んだ時には、所詮この世は、空漠とした嘘モノなのよ、ラララ、みたいな気分に、よくなったものでした。
数年前、ちょっと思うところがあって(私の今住んでいる場所がお寺だらけ、ということもあるのでしょうが)写経をやってみたくなり、出会ったのが「般若心経」。そこで、私、初めて、「色即是空」が般若心経の1フレーズであることを知りました・・・・・
「色即是空」は、そこで留まらず、「空即是色」につながっていくんですね。
なぜか、「色即是空」の4文字だけが一人歩きしている感じもあるんですが、「色即是空」は、「空即是色」とセットのフレーズだなあ、と強く思ったりします。
これは、私の独自の解釈かもしれませんが、「色即是空、空即是色」という言葉を目にした時、裏と表に微妙に違う絵が描いてあるでんでん太鼓が、超高速で回転しているような、そんなイメージが浮かびました。よく学生時代、教科書のはじっこにぱらぱらマンガを描いている同級生がいましたが、停止している絵を高速で送ると、絵が動いてみえる、みたいな・・・・あるいは、表が白で、裏が黒の紙を超高速で回転させると、本来はないはずの「色」が見えてくる、みたいな、そんなイメージ。空と、色は表裏一体で、それが即座に入れ替わることで、「ライブ」な世界がある・・・・・「ある」は、「あるようにみえる」だけで、本当は「ない」のかもしれないけど、そんなことはこの際どうでもよくて、私たちの「存在」は、その超高速の回転の中にある、みたいなそんな感じです。
物質の最小単位を「点」ではなく「線」でとらえる「ひも理論」の世界も案外「色即是空、空即是色」の世界に近いのかもしれませんね、ってそれは飛躍しすぎかな。
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by sound-resonance | 2015-10-21 20:10 | 音・色あれこれ | Comments(0)