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デトロイト美術館とシャッターの音

先日、自動車工業の一大産地デトロイトの自動車工場で産出された石「フォーダイト」について書きましたが、デトロイトは、工業だけでなく芸術でも有名な地のようで、偶然?にもデトロイト美術館からやってきた名画の展覧会が大阪市立美術館で開催中です。

40点程度と作品数は少なめですが、ゴッホ、ルノアール、ドガ、ゴーギャン、ピカソ、モジリアニ、マチス等々、日本でも人気のそうそうたるメンバーの絵画が展示されています。フォードなどの自動車産業で「お金持ち」になってから設立された美術館なのかな、と思ったら、フォードがデトロイトでフォードモーターを設立するよりも前の1885年に創立した美術館みたいです。とはいえ、メキシコの歴史的壁画画家であり、フリーダカーロの夫でもあるディエゴリベラが描いた大規模な中庭の壁画「デトロイトの産業」は、フォード社が製作資金を提供したもの。北側の壁には、フォード社の工場における自動車製造の様子が描かれているのだそうで、フォード社とも関係の深い美術館みたいです。

ちょっと珍しいのが、この展覧会、写真撮影がOKだということ(ただし、7、8月の火、水、木に限る)。草間弥生さんとか、現代美術のアーチストの展覧会では、一部分の作品で撮影OK、SNS等で拡散希望、みたいな展覧会も増えてきましたが、歴史のついた?芸術家の作品を展示した展覧会で撮影がOKというのは、今までにあまりなかった試みだな、と思います。現に撮影可能であることを知らずに来場して、「え!?撮影いいんだ・・・・」みたいにつぶやいていた方もいらっしゃいました。というわけで、館内で撮影してきた写真も織り交ぜながら、展示作品を少し紹介したいと思います。

最初にお出迎えしてくれるのが、ルノアールのピエロの服を来た少年の絵。ちょっとだぼっとした大きめのピエロの服が可愛いですね。

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ドガの絵。右側の踊り子の群れと、左側の空間の大胆な構成に、日本の浮世絵の影響がみられるのだとか。ドガというと、この絵のように踊り子の絵を思い浮かべますが、競馬や競馬場の人々にも関心を持ち、たくさんの絵を残しているのだそうです。

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一時期共同生活もしたことがあるゴーギャンとゴッホの自画像。

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右の絵がゴッホですが、色使いが黄色がちで、いかにもゴッホな感じの自画像ですね・・・(笑)麦わら帽子をかぶって、画家用の青いスモッグを着用しています。ゴッホにとって、色は、対象の色や光を再現するためのものではなく、強烈な色彩と激しい筆触となって、内面感情を表出する手段となっているのだそうです。

ピカソの絵もあります。愛人ドラ・マールを描いたもの。

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ピカソは、時代時代によって、様々なスタイルの絵を描いていますが、いかにも「ピカソ」っぽいこういうキュビズムの絵以外の作品も数点並べて展示されていましたよ。

というわけで、撮影可能日に行ったので、写真を数点撮ってみました。解説やなんかをメモをとらずに写真を撮れるのはとても便利なのですが、シャッター音がいたるところで鳴るのはちょっと気が散るところ。私は美術館に「静けさ」を求めて行く部分もあるので、全面的に写真撮影OKが美術館において主流になっちゃうのも、なんだか残念だな、なんて思うのです。この展覧会のように、写真撮影可能日を限定してもらえると、うれしいな。

→デトロイト美術館展 大阪市立美術館 9月25日まで

by sound-resonance | 2016-08-26 22:49 | 観る・読む・聴く