クレオパトラとエメラルド

先日クレオパトラが美肌のために入っていたというヤギ乳風呂の話を書きましたが、クレオパトラというと思い出すのがエメラルド。クレオパトラが愛してやまなかったのがエメラルドだったと言われています。好きすぎて?自分で鉱山まで持っていたのだとか。

クレオパトラというと、世界三大美人のうちの一人、絶世の美女という言葉を思い浮かべますが、実は顔はそんなに美人じゃなかったという説もあったりします。
まあ、顔の好みって相当個人差があると思うし、時代やお国柄によっても「美人」の定義が違うので、「綺麗な顔」「美人顔」ってそもそもどういう顔やねん?、という気もしますが(笑)、いわゆる整った顔で人を引きつけていたというよりは、彼女の魅力は別にあったよう。すなわち、魅力的な話術と小鳥のような美しい声で人を引きつけるような人物だったのだそうです。彼女の魅力のとりこになったカエサルも、彼女の頭の良さと、声の美しさを称え、特に声については「楽器のようだ」と絶賛しているのだとか。

なにせ昔の人なので、ウィキペディア等には、残念ながら彼女の生年月日は載っていません。でも、クレオパトラって、5月生まれ!?みたいなイメージがありました。
そのイメージがどこから来たかというと、彼女が好きなエメラルドが5月の誕生石だから。誕生石自体は近年の創作なので、これって信憑性がない勝手なイメージかな、なんて思ってましたが、彼女の最大の魅力が「声」にあるのだとしたら、案外そうでもないのかもしれません。

5月生まれというと、太陽星座としては、おうし座、もしくは双子座になると思いますが、おうし座の方の特徴として、身体感覚が優れた方が多いというものがあります。とびきりの舌を持っていてグルメだったり、優秀なコックさんになっていたり、そのものずばり容姿端麗で、モデルさんをやっていたり、美声の持ち主が多いのもおうし座と言われていたりするんですね。もちろん他の星座の方もたくさんいらっしゃるんですが、オペラ歌手って、ものすごくおうし座っぽいです(笑)
審美眼にも優れていて「美しいもの」を見極め、認める能力にも優れているといわれています。

おうし座の支配星は金星。美や優雅さを司る星ですが、古代ローマやギリシャではエメラルドはビーナスに捧げられていたのだそうで、ここでもエメラルドと金星の関係がうかがえますね。

エメラルドは、とてもインクルージョンの多い石としても知られています。インクルージョン(瑕)が「天然」の証といわれるくらいで、無瑕な石があればそれはほぼ合成を疑った方がよいみたいなくらい瑕が多い石。その分もろくて、そのままでは宝飾品に加工して使用するのがとても難しいので、ある程度の大きさを持つ石であれば、オイル浸透処理を施してある石がほとんどです。補強の意味プラス、オイルを浸透させることで瑕も目立たなくなるのだそうです。個人的には、むしろインクルージョンが好き、みたいなある意味やっかいな?石好きなので(笑)エンハンスメント(処理)ありきのエメラルドって、昔はそんなに好きではありませんでした。でも、そんな処理が必要で不安定であっても、クレオパトラをはじめ、これまで多くの人を引きつけてやまないエメラルドって、どんな(私にとっては隠された)魅力があるのかな、と、にわかに興味がわいてきたところ。

というのか、エメラルドの魅力って、その不安定さ、繊細さ、そのものにあるのかもしれませんね。
「緑」という色は、青×黄でできあがっている色ですが、定着させるのはとても難しい色だったりします。常緑樹は、常に緑の葉をつけていますが、その色を人間がそのまま取り出すことは、ほとんど不可能。樹々は「生きている」から緑を保つことができているんですが、色を取り出そうとすると、その色はすぐに死んでしまいます。そういった意味で、緑色って生きていることそのものの色だったりもするんですね。

エメラルドは、昔から解毒剤としても使用されていたのだそうですが、毒を消し去るというよりは「中和する」みたいな効果を期待されていたのではないかと思います。極端にぶれてしまったものを「まん中」に戻す、そんな効果をエメラルドの緑色に求めていたのではないか、と。

クレオパトラは、エメラルドをアイシャドーに使っていたとも言われています。彼女の目そのものが「緑色」だったという説もあったりして、その真偽は定かではありませんが、クレオパトラがエメラルドのアイシャドーを使っていたのだすれば、それは、目を守るという効果を期待したものであったとしても、彼女の目元を生き生きと見せていたに違いありません。

父や妹が敵になってしまうような戦乱の時代を生きたクレオパトラ。自分自身をじゅうたんに包んでカエサルのもとに贈り物として届けさせ、女の魅力と巧みな話術でカエサルを自分の虜にしてしまうなど、戦略にたけたドラマチックな女王様のように思われていますが、一方で、エメラルドの美しさをきちんと理解することができる美しいものを愛する繊細な心の持ち主だったのかもしれませんね。エメラルドは脆いながらも退色には強いのだそうですが、その奇跡的に保たれた美しいエメラルドの緑を身につけながら、誰よりもゆったりと美しいものを愛でることのできる平和な時間が末永く続くことを希求していたのかもしれません。
もしかすると、太陽ではないかもしれませんが、きっと主要な天体のどこか、例えば月とか金星あたり、におうし座を持っていた方だったのではないか、そんな気がしたりするのです。話術に優れていたのなら、双子座も持っていたのかもしれませんね。


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by sound-resonance | 2017-02-22 22:22 | 音・色あれこれ | Comments(0)