怖い絵展を見に行ってきた

兵庫県立美術館で開催されている「怖い絵展」を見に行ってきました。

中野京子さんのベストセラー「怖い絵」発売10周年を記念した人気の展覧会とはいえ、お盆あけの平日、午後2時過ぎ、このくらいの時間帯だとさすがにすいてるだろう、とタカをくくり美術館に到着するも、なんとチケット売り場に長蛇の列。待ったり並んだりということに極度に耐性のない私、チケット買うために並ぶ気になれず、ちょうど同じ美術館でやっていた「ブータン展」を見ることに。

なんで、いきなりブータン!?つい数分前までブータンのことなんて頭に露ほどもなかったのに、と思いつつ、そういえば、この国の王様と王妃様って美男美女カップルだったよね〜、なんて思いながら、楽しく鑑賞。ま、その話は気が向けば書きますが、ブータン展を見終えて、会場を出てきたら、列のできていたチケット売り場から列が消えておりまして、お、これはいけるかも、なんて思い、ついついふらふらとチケットを買ってしまったのでありました。やっぱり、ブータンじゃなく(いや、ブータンはブータンで面白かったんですが(笑))、怖い絵を見に来たんだもんね、後ろ髪引かれる思いで帰るよりは、目的の展覧会を見て帰りたいですよね。

その時、すでに午後の4時。美術館に行くと、ゆっくり見たい派なので、美術館にこんな遅い時間から入ったのは初めてです・・・午後5時閉館の美術館が多いですが、兵庫県立美術館の怖い絵展は、午後6時までやっています。

だがしかし。午後4時過ぎだというのに、中に入ってみると人がうようよ。大きい油絵だと遠目にでも鑑賞できるんですが、版画とか小さくてしかも白黒の作品もたくさんあるので、近くに寄らないと、絵が鑑賞できない。となると、必然的に列に並ばなければならない・・・・うーん、混んでる美術館って、ストレスがたまりますね・・・・絵を見るのも好きだけど、広くて静かなのが美術館のいいところ、なのに・・・・この前に「ブータン展」を2時間ほどかけて鑑賞しているのもあり、足は痛いし、集中力の途切れる中、人も多いし、もう、いっか、みたいな投げやりな気持ちになりつつ、1つ、見たい絵がありました。

それは「ビール通りとジン横町」という絵。絵というより版画ですね。
この版画のことは、「ボンベイ・サファイア」というジンを買った時に知ったんですが、幸せ・健康の象徴としてのビールと、貧困と不道徳、不健康の象徴としてのジンを対比させた版画です。

左がビール通り、右がジン横町。
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この版画の作られた18世紀当時、ビールには高い税金がかけられており、その「高い酒」を飲むことができるのは比較的裕福な人たちだけだったんだそうです。

それに比べてジンは税金のかからない安いお酒、ビールを買うことのできない貧困層はこの酒を買うしかないわけです。しかもアルコール度数が高いので、すぐに酔える。働けど働けど、ちっとも楽にならない生活、苦しい現実を忘れるために、アルコールの高いジンを浴びるほど飲む、酔っぱらって、何がなんだかわからなくなってとんでもないことをしでかして、さらに転落人生。貧困のスパイラルからは決して脱することはできないのです。

こういった当時の事情から、ジンは「安酒」「不道徳な酒」みたいな悪いイメージがついちゃったわけです。実は私も先日「ボンベイサファイア」の記事を書いた際、「透音さん、ジン飲むんだ、なんか意外」と言われたことがありました。まあ、「イメージにぴったり♡」と言われるよりはいいんですが(笑)、ちょっとジンがかわいそうな気もします・・・・。でも、確かにこの版画を見ていると、「ジン、怖い・・・」みたいな気になってきちゃいますよね・・・というのか、当時のジンの扱いがよくわかる感じがします。しかし、ジン横町の方ばかり気になって、ビール通りの方がどうでもよく思えちゃうのはなぜだろう・・・(笑)
「ジン生、いろいろ」なんていう、中野京子さん自らのキャッチフレーズが添えてありましたが、この版画、どう見ても、ジン横町が主役だよね・・・

というわけで、見たかった版画を生で見れたのはよかったんですが、この展覧会の一番の見処はここではありません(笑)もっと注目するべき大作があります。というあたりで、つづく・・・・
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by sound-resonance | 2017-08-17 21:49 | 観る・読む・聴く | Comments(0)