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ビジュアルを聞く

「夢の家」について一通り書いたので、また金沢の21世紀美術館に戻ります(笑)

21世紀美術館には有料ゾーンと無料ゾーンがあって、無料ゾーンで開催されている展覧会にも面白いものがあります。11月5日までlab.2で開催されている「sight」もそのひとつ。sightとは、超音波情報から空間を把握するイルカやコウモリにヒントを得て、視覚情報を音で認知することができるデバイスです。
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(画像は、美術館HPより引用)

実際に体験してみることができるので、試してみると、確かに身体の向きを変えたり歩いたりすると、耳から聞こえてくる音が変わります。展示室には、立方体や三角柱など、様々なオブジェが置いてあって、どれがどの「音」かまではわからなかったんですが、そのオブジェごとの音が聞こえていたよう。慣れてくると「ここにソファがある」ということが音で認知でき、ソファに座ることができるようになったりもするんだそうです。

ここでの視覚を音にするというのは、モノの形の「音」というよりは、認知者とモノの距離を音情報にして耳から聞くという方が正確な感じみたいでしたが、イルカやコウモリは、人間には見えも聞こえもしない超音波を使って、餌を取ったり仲間とのコミュニケーションを取ったりしていて、超音波が使えるかどうかは別として、人間にもそれができる可能性があるんだそうです。

この研究をされている方々は、1990年代生まれの20代の若い世代の方々。他にも「抑うつの精神状態を音声から推定する技術」とか「超音波を用いた映像制作システム」とか「合成音声を題材としたインスタレーション」とか面白い研究、開発をされています。いろんな研究をしている人がいるのだなあ・・・・音情報も視覚情報も元々は大雑把にいうと波、振動の情報です。目で見ること、耳で聞くことの垣根がなくなった先に、新しい感覚の世界が開かれていくのだとしたら、とても楽しみですね。


by sound-resonance | 2017-09-15 20:06 | 観る・読む・聴く