琵琶湖周航の歌とひつじぐさ

先日、といってももう2ヶ月近く前の話になりますが、滋賀県の琵琶湖に浮かぶ竹生島にお参りした際、近江今津駅から観光船乗り場までの途中に「琵琶湖周航の歌記念館」というものがあったので、お参りの後、帰る途中に寄ってみました。「琵琶湖周航の歌」というのは、なんでも大正時代から歌い継がれている学生歌で、滋賀県の人にとっては、滋賀県歌よりもポピュラーなご当地ソングなんだそうです。

そもそもは、大正時代第3高等学校(今の京都大学)のボート部が、琵琶湖周航を行った際、部員であった小口太郎さんが作った詩を当時学生の間で流行っていた「ひつじぐさ」というメロディーに乗せて歌ったのが始まりだったのだとか。

その後、学生歌として、学生の間で歌い継がれていましたが、第2次世界大戦後、多くのプロの歌手によって、レコーディングがされ、特に、1971年に加藤登紀子さんがカバーしたレコードが大ヒットし、全国的に有名になったのだそうです。


といっても、もう半世紀近く前の話で、さすがに私も当時のことは知らないし、関西に住んでいても、そんな歌、あったっけな、という感じだったんですが、確かにメロディーを聞いてみると、なんとなく聞いたことがあるような気もします。まあ、滋賀県歌よりもポピュラーなご当地ソングといっても、若い年代の方は知らない方も多いようです。

元々は、歌詞ができる以前から存在した「ひつじぐさ」という曲を拝借して歌ったことから始まった「琵琶湖周航の歌」ですが、歌い継がれていくうちにアレンジがなされ、原曲の「ひつじぐさ」とは若干異なったメロディーに収まっていったようです。記念館には、元々の「ひつじぐさ」のメロディーの楽譜もありましたが、確かに今歌われている「琵琶湖周航の歌」の方が、歌いやすくなっているというか、親しみやすい感じになっているな、という感じがしました。

「ひつじぐさ」の作曲者は、吉田千秋さんという方ですが、作曲者が誰なのかは戦後不明になっており、それが明らかになったのは、つい最近、平成5年(1993年)の事なのだそうです。

驚くのは、作詞の小口太郎さんも、作曲(原曲)の吉田千秋さんも、20代という若さで亡くなっていること。お二人とも、こんなに長きにわたって、しかも全国的な知名度をもって歌い継がれていく歌になるとは思ってもみなかったんでしょうね。

ちなみに、「ひつじぐさ」は唯一の日本原産の睡蓮。「ひつじどき(午後2時ごろ)」に咲くから「ひつじぐさ」と名付けられたそうですが、実際には午前中に開花し、夕方まで咲いているそうです。琵琶湖周航の歌記念館の前でも栽培していますが、実際私が記念館を訪れた夕方16時頃でもまだ花が咲いていました。今では輸入ものの睡蓮に押され、ひつじぐさを見ることのできる場所も少ないそうですが、日本原産の睡蓮が、気軽に見れるようになるといいですね。
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by sound-resonance | 2017-12-13 20:18 | 音・色あれこれ | Comments(0)