ブルーのダイヤと呪いの伝説 その2

前回のつづきです。

前回、ピンクダイヤよりも希少価値が高いのがブルーのダイヤモンドで、その中でも有名な「ホープダイヤ」が呪いの伝説を持っているという話をしました。ホープダイヤモンドの所有者になった人は、自殺したり、殺されたり、発狂したりと次々と不幸になる、というもの。でも、それは、ほとんど根拠のないでっちあげで、かつての所有者の一人、ホープ氏の元妻であるメイ・ヨーへが呪いの伝説を「盛った」張本人でした。ウィキペディアによると、彼女は、ホープ氏と離婚後、愛人にダイヤモンドを奪われたとか、自分が不幸になったのは、ダイヤモンドのせいだとか主張したのだとか。「愛人」というと、ホープ氏に愛人ができて、メイさん捨てられちゃったのかな、なんて思ってしまいますが、そうではなく、この場合の「愛人」とは、メイが夫を捨てて彼の元に走った方の愛人なんだとか。この愛人との離婚後、「ダイヤモンドの謎」という本を書いたり、それを映画にしたり、そうする度にどんどん話を「盛って」いったのだとか。

うーむ、そこまでやったわりには、しかも女優さんだったわりには、メイ・ヨーへについての記述がほとんど見つからないので、この方がどんな方だったのか、人となりがいまいち見えてこないんですが、なんだかこんな伝説を語られたのが、ピンクでもイエローでもない、ブルーのダイヤモンドだったというのが、象徴的だな、と思ったりもするのです。

ブルーとは、本来「信頼、誠実さ、コミュニケーション」を表す色です。聖母マリアのシンボルカラーともされており、花嫁さんが、サムシング・フォーのひとつとして「何か青いもの」を身につけると幸せになるとも言われていますね。この場合の「青」は、誠実さ、一途さとともに、純潔も意味しています。メイ・ヨーへも、こんな慣習に従って、ホープ氏との結婚式には、ガーターベルトに青いリボンをつけていたかもしれない。それが、一転してネガティブな方向にぶれると、メランコリックな感情が増幅していきます。圧倒的な不信感をぶつけるかっこうのターゲットとして、青いダイヤモンドが選択され、彼女を不幸にした宝石としての伝説が盛られていったのです。しかしながら、ダイヤモンドについての本を書き、それを映画化し、その中でフランシスホープ役まで主演したにもかかわらず彼女の存在はほとんど忘れ去られ、伝説とともに、ダイヤモンドの存在だけが圧倒的存在感をもってある、というのも皮肉なものですね。

ちなみにホープダイヤモンドをスミソニアン博物館に寄贈したハリーウィンストン氏は、決して呪いが怖かったから博物館にダイヤを寄贈したわけではなく、むしろジョークのネタにしていたのだとか。ウィンストン氏は「アメリカ国民のために」といって、ダイヤを寄贈したそうですが、誰かのためだけに存在するよりもダイヤモンドにとってもその方がいいのかもしれませんね。私も、呪いの伝説がでっち上げであったとしても、所有はできない、というか、したくないですが(笑)、アメリカに行く機会があれば、実物を見てみたいものです。



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by sound-resonance | 2017-05-14 17:17 | 音・色あれこれ | Comments(0)