明石の御方→クリア:再びすべてを含む色

 色で読む源氏物語シリーズ、今回は「明石の御方」です。
 明石の御方の私のイメージは、「白」です。彼女が京にあがってきてから、後に六条院の冬の町に住むところから、かもしれませんが、光の君も、彼女に白と濃い紫の襲の衣装を選んでいます。
a0155838_1961313.gif この最も高貴な色の組み合わせをあの人なら着こなせると光の君に言わしめた明石の御方のことを、紫の上は生涯最大のライバルとして、意識していました。
 サウンドレゾナンスの中では、白は取り扱いませんが、オーラソーマのボトルにはクリア(透明)を含むボトルが何本かあります。ここでは、白をクリアとしてとらえていきたいと思います。
 クリアは、マゼンタと同じくすべての色を含みます。 父親が見た夢のお告げによって、将来の国母の母となるべく、明石にありながら、京の深窓の姫君に負けずとも劣らない教養を身につけた、美貌の姫であったのに、身分が低いが故にそれを補うためか、人一倍プライドが高かった彼女の事を、「六条御息所に似ている」と光君は言っています。マゼンタの六条御息所と、クリアの明石の御方が似ているというのは、ちょっと面白いですね。
 朧月夜とのスキャンダルによって京を追われた光君にとって、明石で出会った明石の姫君は、まさに悲しみの中に差し込んだ一条の光のような存在だったのではないでしょうか?父親から、言い聞かされていたことだとはいえ、「国母を産む」という確固たる使命を持っていた彼女に、光君の方も運命的なものを感じたに違いありません。
 夢のお告げ通り、彼女は女の子を産み、その子は、国母(帝の母)となりました。これまた出自が低いが故に我が子を紫の上に預けなければならない、という悲しい出来事もありましたが、我が子が女御として入内する際には、世話役として、我が子(明石の女御、のちの中宮)に付き添うことを許されます。最大のライバル、紫の上とも、明石の中宮を間に友好的な関係を結んでいきます。劇的な運命に流されているように見えながら、出しゃばることなく、常に自分の役割に徹し、最終的には穏やかな確固たる自分の立ち位置を築いていった彼女には、女性のしなやかな強さを感じてしまいます。

☆次回は「末摘花」を取り上げます。
 
襲の色はイメージ、色相は近似色です。色見本の館より画像をいただきました。
[PR]

by sound-resonance | 2010-02-09 20:43 | 色で読む源氏物語 | Comments(0)