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時の神様

ギリシャ語には、「カイロス」と「クロノス」という「時」を表す単語がふたつあるのだそうです。

「カイロス」の方は、ギリシャ語では、「時刻」を表す言葉で、「機会(チャンス)」を司る神様でもあります。
彼の頭部には前髪しかなくて、後頭部には髪の毛がないんだそうで、その辺りから「チャンスの神は前髪しかない」=「チャンスはすぐにつかまないと後になってはつかむことができない」といわれたりするんだそう。
このチャンスの神様には前髪しかないっていうの、「チャンスの『女神』」って表現されていることもあって、「前髪しかなくて、後頭部が禿げ上がってる女神様って、どうなの!??」となんか釈然としない感じがあったんですが、本来のカイロスは男性神なんですね。まあ、それでも、前髪しかない後頭部が禿げ上がってる美少年って、どうなの!?とも思いますが・・・・・・(笑)

対して「クロノス」はギリシャ語で「時間」を表す言葉で、ギリシャ神話では農耕の神様とされています。
万物を切り裂く大鎌’(アダマス)を持ち、父であるウラヌスを伐ち、世界を統べる王となりますが、後に息子であるゼウスにその王座を追われました。
同じくギリシャ神話に登場する農耕神であるサトゥルヌスと同一視されてもいて、その辺りから西洋占星術では土星(サターン)を表現する神ともされています。

元々のギリシャ神話の「クロノス」は時を司る神様ではなかったようですが、農耕の神様ということで、巡る季節を刻む時間をも司る神様というイメージも出来てきたんでしょうね。

人が主観的に感じる時、瞬間を「カイロス」、人間の主観とは関係なく、永続的に淡々と流れる連続した時間を「クロノス」といった分け方もあるそうです。

土星を表現する神様が「時間」を司っているというのは、とても面白いなと思います。
人間は、誕生した瞬間から、過去から未来に向かって連続的に流れる「時間」の制約を受けて生きていきます。美魔女とか、アンチエイジングとか、女子にとって、時間の流れは「抵抗すべきもの」としてもとらえられがちだけど(笑)、時間という枠があるからこそ、瞬間瞬間が大切に感じられるのかもしれません。時のない世界を「パラダイス」と表現した人もいましたが、そこは案外「生き甲斐」のない世界なのかも、と思ってみたり。
枠があるからこそ、際限なく広がるイメージの世界から何かを「現実化」することができるのかな、と思ってみたり。
土星って凶星、厳しい星ととらえられがちだけど、そう考えてみると「枠」を作って守ってくれている大切な星なのかもしれませんね。

by sound-resonance | 2016-03-13 21:13 | 星読み